直腸がん局所再発 コンサルテーションサービス CONNECT-LR

専用システムで安全に情報を共有し診療経験が豊富な専門家にコンサルティングを依頼

はじめに

本システム「CONNECT-LR(Consultation system to bring the Next Chance for the Treatment of Locally recurrent Rectal cancer)」は、直腸癌局所再発の治療成績向上のための遠隔コンサルティングシステムです。電子メールのような情報のやりとりを専用システムを用いて安全におこなうことができます。

本システムを用いることで国内の医師であればどなたでも、直腸癌局所再発に関する相談(診断・治療・治療施設など)を診療経験が豊富な専門家(コンサルタント)に無料でおこなうことができます。

まずは「システム利用にあたっての流れと注意事項」をお読みいただき、システム登録申請を行ってください。システム登録後に本システムをご利用いただけます。

CONNECT-LRの
イメージ図

CONNECT-LRの
運用にあたって

運営体制

  • 実施責任者:国立がん研究センター東病院大腸外科 伊藤雅昭
  • 運用事務局:国立がん研究センター東病院大腸外科 塚田祐一郎
  •       国立がん研究センター東病院大腸外科 松元美保子

コンサルタント

  • 国立がん研究センター東病院 伊藤雅昭
  • 国立がん研究センター東病院 塚田祐一郎
  • 兵庫医科大学病院 池田正孝
  • 山形県立中央病院 須藤 剛
  • 久留米大学病院 藤田文彦
  • 関西医科大学附属病院 関本貢嗣
  • 日本医科大学付属病院 上原 圭

CONNECT-LRのイメージ図

ページの先頭へ

CONNECT-LRの運用にあたって

 直腸癌治癒切除後の初発再発部位別の頻度は、骨盤内に再発する局所が9.6%、肺が7.5%、肝が7.3%であり、局所再発の頻度が高いことが直腸癌の特徴です。直腸癌局所再発は外科的切除(手術)によって根治が期待できるため、本邦および欧米のガイドラインにも、R0切除(がん組織の遺残のない切除)が可能な局所再発に対しては切除(手術)することが推奨されています。しかし、切除後の5年生存割合は約28~54%と、切除不能であった場合の5年生存割合がほぼ0%であるのに比べると切除による予後向上は認められるものの、いまだ外科的切除の治療成績は十分とは言えず、難治性がんの1つと考えられています。

 難治性がんである直腸癌局所再発は診断・治療が難しく、手術の難易度が高い上に切除可能か否かの判断には高い専門性と経験が必要とされることから、切除可能な病変であっても施設によっては切除が困難と判断され、患者さんが根治の機会を得られないこともしばしばあります。一方、高い専門性を持った医師は限られているため、とくに遠隔地から専門医に相談するのは容易ではありません。このことから、直腸癌局所再発の患者さんをできるだけ切除により根治させるためには遠方からでも同領域の専門医に安全かつ容易にコンサルトしやすい環境の構築が必要と考えました。

 そこで今回、Webによる診療情報交換システム「CONNECT-LR」(株式会社ファインデックス)を用いた遠隔コンサルテーションシステムを運用し、日本国内の医師ならどなたでも直腸癌局所再発の診断や治療に関するコンサルテーションを治療経験豊富な医師に安全かつ容易におこなえるような環境を作りました。これによって、直腸癌局所再発の治療成績が少しでも向上すればと考えております。

 全国の医師はCONNECT-LRを用いて経験豊富な医師に無料で相談することができ、直腸癌局所再発の診断や治療方針(切除可能か否かを中心に)に関する助言を受けられるとともに、切除が必要な場合にはコンサルタントの所属する病院やその他の全国の中核病院への受け入れに関する相談もおこなうことが可能です。直腸癌局所再発の診断に迷う場合、切除可能か否か判断に迷う場合、切除可能と思われるが自施設での切除は難しいので切除できる施設を探したい場合などに本システムを是非ご利用ください。

 

 本システムを積極的に活用いただき、少しでも多くの患者さんの治療成績向上につなげていただきたいと思います。また、患者さんやご家族の方からもご自分の担当の先生に本システムを紹介していただき、ご自身の治療に役立てていただければ幸いです。

ページの先頭へ